僕が社会人になる頃は、よく「この会社に骨を埋めるつもりだ」という言葉を耳にしたものです。特に、住宅ローンなどで家を購入する人から良く聞きます。
でも、それはもう既に非現実的な「死語」です。
今はもう、会社に骨を埋めてはいけない時代です。
中西会長は4月、「企業が今後、終身雇用を続けているのは難しい」という趣旨の内容を述べ、雇用のあり方を見直す方針を示した。
日本の経済界のトップが自ら、「日本型雇用は幻想だった」と認めてしまった今、僕たちが会社に骨を埋めたくても、会社はそれを許さない、という時代はもう既に到達しているとしたら。
人生の3分の1以上を占める働く時間を、ただ歯を食いしばって楽しくない仕事に費やした挙げ句、定年が近づいてくると給料を大幅に下げられ、「これまでと同じ仕事」をやらなければならなくなる悲鳴を、僕は会社員時代いくつも見てきました。
僕は36歳で会社を辞めて独立し、現在はフリーランスとしてブログで収入を得、家族を養っています。
今の時代、僕らに求められているのは、
「自分の身は自分で守らなければならない」
ということです。
会社員が悪いとか、フリーランスになろうとか、そんなことを言うつもりはありませんが、万が一の時、自分で自分を食わせることができない人生は、「無保険で車に乗る」ようなリスクがあるということを知ってもらいたいと思っています。
その理由と、それを乗り越えるための方法についてお話したいと思います。
会社に尽くした結果が退職金0円だった
突然ですが、僕は30歳を過ぎてから、会社を辞めたくて仕方がありませんでした。
細かく話すと長くなるので割愛しますが、
- 10年働いて手取り3万円しか増えない現実
- リスペクトできない人間関係
- サービス残業と休日出勤が当たり前の労働環境
- 強制社員旅行・強制飲み会
数え上げればマグマのごとく噴き上がってきそうなのでこのくらいに…。
現状に対する不満と不安は、働けば働くほど募っていきました。
じゃあ転職する?と思い立っても、どうせ同じ業界だったら同じ結末になるだろう、いつまで経ってもズルズルとその環境から離れられない自分。
「どうせできっこないよな」
という諦めムードが続くと、だんだん感情も動かなくなってきます。
始めの頃はやる気に満ちていたけれど、5年を過ぎた辺りからは機械的にしごとをこなすようになっていきました。
僕が働いていた会社はちょっと特殊で、「個人で起業する」なんて言えば絶対に「辞めさせてくれない」どころか「研修費100万円返せ」と言ってくるような会社でした。
だから、そんな会社に対して忠誠心を抱くどころか、常に不信感しか抱くことができず、役職が順当に上がったとしてもまったく安心できない日々の連続。
実際、不当な主張で社員を縛り付けるやり方というのは、DV彼氏のように束縛して結束を無理やり強めようとする行為に等しいと思います。
給料をもらいたいがために、そんな会社に骨を埋める。
DV彼氏に養ってもらいたいから、殴られても同棲を続ける。
経済力がないから、モラハラ夫と離婚できない。
この生き方は、つらい。
もっというと、僕は一応「円満退職」しましたが、10年勤めて退職金は「0円」でした。大手であればありえないと思いますが、地方の同族経営の会社であればよくある話だそうです。
今更どうこう言うつもりはありませんが、結局辞めていく社員に対して会社はそれほど興味関心を持たない。残った人が大事だ、という考えなのでしょう。
その時僕は強烈に実感しました。
自分の身は自分で守らなければならない。
他人は変えられません。会社もまた、変えられないのです。
だからこそ僕は、「会社員=安定」という考え方も結局は幻想に過ぎないと思っています。
個人が副業で稼ぐと言っても何をすればいいの?
ところで仮に、ある日突然「副業していいよ」と言われても、何をしますか?
コンビニの深夜バイトをすればいいのか、データパンチのバイトをすればいいのか。
何から手を付ければよいのかさえ、わからない人が多いと思います。
かつての僕もそうでした。
簡単に考えられる副業と言えば、
- 短期アルバイトで稼ぐ
- メルカリ・ヤフオク転売、せどりで稼ぐ
- ポイントサイトで自己アフィリエイトで稼ぐ
- ブログアフィリエイト稼ぐ
- ブログのgoogleアドセンスで稼ぐ
- 民泊で稼ぐ
- FX・株式投資で稼ぐ
- アクセサリーや家具を作ってminneなどで販売して稼ぐ
ざっとこんなところでしょうか。
でも、自分の時間を切り売りして稼ぐ「短期アルバイト」は、時間的拘束も長く、会社員にはちょっとキツイと言わざるを得ませんよね。
民泊は貸し出すスペースや設備投資で初期投資が相当かかるでしょうし、気軽に始めるにはハードルが高いと思います。
結論、考えられる副業の多くは、オフラインではなくオンラインに移行しています。
そして僕はこの中で、「ブログのgoogleアドセンスで稼ぐ」を選びました。
その結果、会社員を卒業し、現在はフリーランスとして自宅をオフィスにしてシゴトをしています。
僕は会社員時代、あまりの給料の上がらなさに絶望して、副業でブログの収益化を目指し、1年掛けてそれは会社の収入を何倍も上回る成果となりました。
会社の給料とは別の収入を得ることで生じたのは、単純に生活のための資金が増えたことによる安心感だけでなく、メンタル面にもその影響は強く現れました。
- 平凡な自分でも稼げた、という自信がついたこと
- 会社や上司の顔色を伺う必要がなくなったこと
- 会社を辞めて独立する道筋が見えたこと
会社の給料“だけ”で生きていくということは、収入源を会社に依存しているとも言えるでしょう。
でも、自分の力で立つことが出来る。
この事実だけでも、僕は副業を始めて良かったな、と心から思うことが出来ています。
岩にかじりついて耐えてる場合じゃない
人は年齢を重ねていくと、若い頃にはできた「逃げるように辞める」の選択肢が選びにくくなるようです。
その理由は、
- 家や車のローン、子供の学費などが不安
- どこにでも通用するスキルなんて無い
- 持病がある
- 世間体が気になる
守るべきものが増え、冒険しようという気になれない。
変化を起こそう、と思っても、恒常性維持の原理が働いて脳はそれを拒否してしまうことは、往々にしてあるもの。
チャレンジするチャンスは目の前にあるのに、それに飛びつくことができなくなってしまうから、変わりたいと思いつつも、結局「そのまま」の人生になってしまうのはよくあることです。
僕が元いた会社には、「30年近く会社に貢献してきた元上司が、病気をしたことで能力が下がり、新卒以下の平社員にまで落とされた結果毎日鬼のように年下の上司に詰められる」という光景が毎日のように繰り広げられていました。
報われませんよね。見ているのは辛いし、「いつか自分もああなってしまうかもしれない」と想像したら、他人事では済まされませんでした。
おそらく上司は、職場の業務効率と、その人の能力を改善したかったんだと思います。
ただ、やり方の是非はともかく、傍から見ても地獄のような日々を送るその元上司に同情はしても、助けたいという気持ちは起きませんでした。
彼自身、完全に心が折れてしまっていました。煙たがられ、嫌われ、完全に居場所を無くしていました。
岩にかじりついてでもその会社に居座ることは、目標を見失った人にとって成長というポジティブなエネルギーを奪います。
会社としても、そんな社員の存在はマイナスでしか無いですよね。社長の悪口を言う社員が、会社の業績に貢献できるはずがありません。
人生には遅すぎるということはありません。
しかし、遅ければ遅いほど難易度は確実に跳ね上がります。
だから、決断は早いほうが良い。僕は36歳でようやく決断しましたが、めちゃくちゃ遅かったと自分でも思います。
「自分で考え、自分で決断する人生」を自ら選び取る覚悟は、手に抱えているものが多ければ多いほど、掴みにくくなります。
手放す覚悟と決断が出来る人から、人生は変わっていくんじゃないかと思うのです。
自分で考え、自分で決断することで人は幸せになれる
現在は10年前よりもはるかに、個人が組織に依存せずに稼ぐことが出来る時代を迎えています。
周囲を見渡してみても、これほど多くの人が独立起業を目指し、そしてその結果、人生を楽しんでいる人が多い時代。これは史上初めてのことじゃないかと思います。
真面目に働く、それ自体は素晴らしいことです。
でも、その結果多くのストレスや軋轢・実現しない理想の未来にモヤモヤしているのならば、誰かが決めた自分の人生に嫌気が差しているサインなのかもしれません。
自分で決める、勇気を出してみること。
会社員でも、個人事業主でも、法人でも、「夢や理想を立てて努力を積み重ねる」という過程は変わりません。
自己責任の世界では「誰かのせい」ということがありません。
「真面目に、真剣に、誠実に、努力を積み重ねる」ことで人生を幸せにしていきたいと願うのなら、たった一度の人生、そんな自分勝手な生き方をしてみてもいいんじゃないでしょうか?
コメント