手稲山が見えるということは、たぶん近所で撮ったのだろう
もう少し見ていたい夕日を隠す山々を恨めしく思いつつ、
この壁のお陰で札幌の気候はいつも穏やかだ。
あの山の頂上に登ったことを思い出す。
重たい荷物を背負い、岩だらけの斜面を肩で息をして歩いた。
およそ1100mの低山だけど、当時の僕にはきつかった。
ようやくたどり着いたてっぺん。
2〜30人もの小学生たちが遠足気分でお弁当を囲んでいる。
その半分くらいのママたちとともに。
「登りきったぞ!」
少し前まで胸を弾ませていた高揚感はどこへ?
押し寄せてくる羞恥心。子どもってスゴイ。ママたちもすごい。
そんなことを思いながら、記念碑の影に腰掛けて
ひっそりとおにぎりを頬張ったのであった。